2つの接着系アンカーは何が違い、それをなぜ選定しますか?
『あと施工アンカー』に精通している方は、さまざまな建設工事で頻繁に使用される2つの製品のヒルティRE 500 V3 と HY 200-R について間違いなく聞いたことがあるでしょう。
ヒルティ RE 500 V3 と HY 200-R は、いずれもヒルティ注入方式(Hilti Injection Technology:HIT)アンカーポートフォリオに属しています。また、市場において非常に性能の高い接着系アンカー製品でもあります。では、その2つの接着系アンカーには、実際にどのような違いがあり、なぜ、あなたはもう一方ではない方を選定する(している)のでしょうか?
RE 500 V3 と HY 200-R
RE 500 V3 は、歴史的に2つの異なるアプリケーションで使用されていた製品それぞれの利点を組合せ、1つで幅広いアプリケーションに適用できるよう利便性を高めた製品で、HY 200-R は、従来の HY 製品が改良された製品です。RE 500 V3 と HY 200-R を比較する最も簡単な方法は、それぞれの製品個別の欧州技術認証(European Technical Assessment:ETA)を見ることです。 いずれの製品も『あと施工鉄筋定着(Post-Installed Rebar)』接合の認証を取得しており、『あと施工アンカー』または『あと施工定着鉄筋』いずれかの使用に対して正しい資料を参照していること、どの製品 ETA を参照しているかを確認し、区別して使用します。
RE 500 V3 と HY 200-R の主な特長は、以下の通りです。
RE 500 V3
- 標準温度(20 ~ 24 ℃) で、30 分のゲル状時間と7時間の硬化時間にて緩やかに養生する接着系アンカー(他の使用温度範囲については、RE500 V3 技術資料 認証関連書類にある欧州技術認証 ETA をご参照ください。)
- 手動清掃:エアコンプレッサーによる切粉除去2回 ➡ ブラシ掛け2回 ➡ エアコンプレッサーによる切粉除去2回
(ヒルティホロードリルビットを使用しない場合)
- ダイヤモンドコア穿孔による施工が可能
- ヒルティ目荒らし(ラフニング)ツールを使用して孔内の目荒らしを行ったダイヤモンドコア穿孔は、ハンマードリル穿孔による荷重と同等扱い
- 乾燥/湿潤コンクリートへの施工が可能
- ハンマードリル穿孔でひび割れを想定しないコンクリートの場合、浸水がある孔への施工が可能(海⽔の場合は、ヒルティ技術担当へお問合せください。)
- 使用温度範囲は -40 ~ 70 ℃
- 100年耐用年数のための欧州技術認証ETA 取得
HY 200-R
- 標準温度(20 ~ 24 ℃) で、9分のゲル状時間と1時間の硬化時間の速乾養生の接着系アンカー(他の使用温度範囲については、HY 200-R 技術資料 認証関連書類にある欧州技術認証 ETA をご参照ください。)
- 手動清掃:ポンプによる切粉除去4回 ➡ ブラシ掛け4回 ➡ ポンプによる切粉除去4回
(ビット呼び径が20mm 以下および穿孔⻑10d 以下の条件に適⽤、それ以外の場合、エアコンプレッサーによる清掃、または、ヒルティホロードリルビットの使用が必要です。)
- 清掃不要:ヒルティHIT-Z ボルト使用をすることで清掃なしで施工が可能
- ダイヤモンドコア穿孔の場合でも、ヒルティHIT-Z ボルトで施工が可能
- ヒルティ目荒らし(ラフニング)ツールを使用して孔内の目荒らしを行ったダイヤモンドコア穿孔は、ハンマードリル穿孔による付着耐力と同等扱い
- 乾燥/湿潤コンクリートへの施工が可能(EN1992-4 によるアンカー理論を用いた鉄筋の場合)アンカー理論の詳細はこちらをご参照ください。
- 使用温度範囲は -40 ~ 120 ℃
それぞれの製品の詳細は、各製品の欧州技術認証 ETA から
「アンカー・留付け製品 技術マニュアル」のダウンロードはこちら
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