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金属系アンカー VS 接着系アンカー

投稿者TMM2年近く前

お客様の目的と条件に合った正しいアンカー技術の選択

選定,あと施工アンカー

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コンクリートやレンガ・ブロックなどの組積造に使用するため設計されたアンカーは、以下の1つ、または、それ以上のメカニズムにより、荷重に耐えるよう開発されています。
 
摩擦
これは、HSA、HSL-4、HST3アンカーなど、ほとんどの拡張式のあと施工アンカーで使用されるメカニズムです。穿孔された孔壁とアンカーとの間に生じる支圧力から生じる摩擦抵抗は、コンクリートの局所変形による影響も受けます。摩擦力は、アンカーによって生じる拡張応力の大きさに比例します。締付け方式の拡張アンカーは、追随拡張性能を利用して、施工時の締付けトルクにより加わる予荷重を超える荷重の増加に呼応して拡張する力を高めたり、ひび割れに対応したアンカーでは母材状態(ひび割れ)による変化に合わせたりします。
 
支圧
アンダーカットアンカー、ねじ固定式アンカー、および特定のタイプの拡張式アンカーは、作用した荷重に抵抗するために、拡張部やねじ山が孔壁にくい込みアンカーを固着します。アンカー支圧面との界面で母材に発生する支圧力は、三軸性の応力状態で圧壊を最小限に抑えて比較的高いレベルに達します。HDA のようなアンダーカットアンカーは、母材条件の変動に対する復元力に非常に優れており、ほとんどの留付け目的に適する最も堅牢なソリューションです。
 
付着
接着系アンカーは、樹脂とアンカーボルト、および、樹脂とコンクリートの間の固着原理を介して、作用した荷重をアンカーからコンクリートに伝達します。付着性能はアンカーを施工時の孔壁状態の影響を受け、接着系アンカーは孔壁の凹凸部に樹脂が入り込むことによるせん断抵抗力(支圧)も働きます。。HIT-HY 200 など注入方式アンカーは、幅広いアンカー用途で柔軟性と高い付着力を提供します。HIT-Z ボルトのような接着系アンカー用途のハイブリッドアンカーは、追随拡張効果により、接着系アンカーの汎用性と、拡張式の締付方式金属系アンカーの固着原理を兼ね備えており、現場の困難な条件下での信頼性の向上に繋がります。
 
せん断抵抗
ほとんどのアンカーは、孔壁に対するアンカーの支圧でせん断荷重に対する耐力を発揮します。せん断荷重はまた、アンカーに二次的な引張を誘発します。締付けトルクによる引張予荷重がばらつくため、ほとんどのせん断設計では、取付物と母材間の摩擦ではなく、取付物とアンカー間の支圧を利用しています。








アンカーは、一般的に5つのタイプがあり、4つが「あと施工」されるもので、もう1つが「先付け」されるものです。


 

接着系アンカーは、硬化したコンクリート、レンガ・ブロックなどの組積造を穿孔し、挿入した「あと施工」アンカーで、荷重は、ボルトと樹脂、樹脂と母材との付着によって母材に伝達されます。
 
先付けアンカーは、一般的にコンクリートを打設する前に設置された頭付きボルト、頭付きスタッド、またはフック付き型ボルトで、さらに、先付け内ねじインサートは、先付けアンカーの一種です。
 
拡張式アンカーは、硬化したコンクリートを穿孔し、挿入した「あと施工」アンカーで、荷重は、支圧、摩擦、またはその両方によって母材に伝達されます。
 
ねじ固定式(スクリュー)アンカーは、硬化したコンクリート、または、レンガなどの組積造を穿孔し、挿入した「あと施工」アンカーで、通常、穿孔径はアンカーよりも小さくなります。荷重は、キーイングによって母材に伝達されます。
 
アンダーカット式アンカーは、孔底でコンクリートをアンダーカットし、機械的にインターロックさせて固着する「あと施工」アンカーであり、特別な工具、または、アンカー自体のセルフアンダーカットで施工します。






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